組んでたバンドが解散した。
終わる時というのは案外あっさりしているもので、こんなもんか、と特に悲しむなどもなかった。
少し前から不穏な空気は流れていた。大きなキッカケとしては、こういう話の定番ではあるが、色恋である。
男女2人ずつの4人バンドで、そのうちの2人が付き合いだしたら、気まずくなるのも当然である。
それに、何より私にも悪い部分があるのだ。
普通の友人として、彼氏の方を遊びに誘った。それがきっと彼女の気に障ってしまったのだろう。
その程度で、と思ってしまうが、私が彼女から信頼が得られなかったのもあるだろう。
あくまで憶測の話で、真の理由は私にはわからないのだが。分かるだけの共感性を、悲しい事に持ち合わせていなかった。
こんな事になったが、先にも言った通り悲しくは無いのだ。ただ、もう1人のバンドメンバーに、申し訳ないという気持ちが漠然とある。
彼が事を知ったのは、全て終わった後だった。彼が知った時には、関係は既に崩壊しており、バンドを終わらせるという旨を向こうが固めた後だったのだ。
残り数ヶ月で卒業ライブ。そこまでで、ライブの出演は1回しかない。卒業ライブを含み、あと2回のライブを耐えるのだろうか、はたまた、解散になるのだろうか。
「卒業ライブは出ない」
そう言われた時、咄嗟に「でしょうね」と返してしまった。個人的にはむしろ、「出る」と言われたら驚いて聞き返していた自覚がある。
最後となってしまったライブでは、SEなどの決めなくてはいけない所を決めて、演奏して、ろくに会話などせずそのまま解散した。バンドも、その場も。
話しかけても、きっとお互い良い気持ちにはならないだろうから、なるべく近寄らないようにした。
「気まずすぎやろ」と友人に言われるほどではあったが、付き合っている2人がずっと一緒に居るのに、そこの邪魔をする訳にはいかないだろう。
私は友人達と話したりしていたが、その日のライブ中、1人にしてしまったバンドメンバーには、こちらもまた申し訳ない気持ちがある。
私が彼と話したら、彼が2人と話せなくなると思い、声をかけられなかった。そんなのは関係なく、ずっと2人で、彼は1人だったのだが。
今までありがとう、なんて言葉も無く、関係が終わってしまった。これからは同じ部活の人、同じゼミの人、はたまた他人へと成っていくのだろう。
この状態に寂しさも悲しさも湧かない時点で、きっともうダメだったのだ。彼らへの感情が微かになってしまっている時点で。
お疲れ様でした。楽しかったよ。こんな捻くれた問題児とバンドを組んでくれてありがとう。それぞれ残りの学生生活を楽しみましょう。
最後のライブを終えた、どこかにあったそんなバンドの話